平成18年 宅地建物取引主任者資格試験 問題&解答解説

〔問 1〕 次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
 契約締結交渉中の一方の当事者が契約交渉を打ち切ったとしても、契約締結に至っていない契約準備段階である以上、損害賠償責任が発生することはない。
 民法第1条第2項が規定する信義誠実の原則は、契約解釈の際の基準であり、信義誠実の原則に反しても、権利の行使や義務の履行そのものは制約を受けない。
 時効は、一定時間の経過という客観的事実によって発生するので、消滅時効の援用が権利の濫用となることはない。
 所有権に基づく妨害排除請求が権利の濫用となる場合には、妨害排除請求が認められることはない。


《総 論》 なんじゃこりゃ? 意表をついた問題で、平成18年度の宅建試験は開幕です。信義誠実の原則や権利濫用などの一般条項からの出題で、どこのスクール(教材)も対応できませんでしたねぇ〜。あはは。ごめんね。でも常識で考えてみたら、正解できたかも!
× 「じゃあここをこうしたら買おうかなぁ」「はい、わかりました。では大至急!」と、結論は留保したまま(つまり契約締結交渉中に)あれこれ注文らしきことを繰り出しておきながら、「やっぱりやめるわ。」と契約交渉を打ち切った。そりゃ契約締結に至っていないけど、「なんだよー、アンタがそういうからこっちは必死で準備したんじゃないかっ」という局面になる。ちょっと気の毒。なので、契約準備段階であっても、信義誠実の原則によって、契約締結上の過失として、損害賠償責任を発生させちゃいましょう(判例)。
× あのですね、やっぱり「権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない」のでありますっ! で、当事者がした契約の趣旨を解釈する際の基準にもなります。
× ん? 時効は当事者の援用がなければ効果は発生しないのではないかね。 それに、場合によっては消滅時効を援用することが権利の濫用となる場合(例:払うと見せかけて、そのまま押し切った)もあります(判例)。
そりゃそうでしょ。そもそも「所有権に基づく妨害排除請求が権利の濫用となる場合」なんだから、妨害排除請求そのものもダメでしょ。

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