【宅建ダ】某大手で「マン管受験講座」をやってたときの思い出と、あ、ここじゃんという現場

ちょっと用事があって訪れた街だったんだけど、「あ、ここじゃん」と、思わず写真を撮ってみました。
もうずいぶん前の話になるんだけど、某大手専門学校で、マンション管理士試験受験講座の講師稼業をやっていたときの話なんだけどね。
最初に「へー」と思ったのは、区分所有法の「団地の建替え」が、マンション管理士試験に出るんだなーということ。
宅建試験の区分所有法は【問13】だけど、団地(区分所有法65条〜70条)は出ないもんね。
あ、正確にいうと、平成26年【問13】選択肢3で、ちょろっと出てるんだけどね。
こんな選択肢。
建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合、規約で別段の定めがない限り、各区分所有者は、滅失した共用部分について、復旧の工事に着手するまでに復旧決議、建替え決議又は一括建替え決議があったときは、復旧することができない。
そのとおり。建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失場合、各区分所有者は復旧工事をすることができるけど、復旧決議や建替え決議などがあったときはできなくなるもんね。
で、ここにさりげなく「一括建替え決議」っていうフレーズがあって、じつはこれが「団地」での話なんだわね。
それなりに大きなひとまとまりの土地のうえに、たとえば3棟の区分所有建物(A棟〜C棟)が建っていて、団地関係(全員で土地を共有している)が成立していたとする。
さて、管理(管理組合)は、果たしてどーなっているでしょうか〜!!
そうなんです。
団地管理組合と、各棟での管理組合が重層的に成立することになる。
では問題。
これらのマンションの「建替え決議」は、いったいどうすりゃいいでしょうか。
ここで「一括建替え決議」というのが登場するわけなんですね。
一括建替えということだから、ぜんぶの建物(A棟〜C棟)を取壊して、新しい建物をドドーンと建てましょうしょう、という話。
ステキです。
では「一括建替え決議」の段取りです。
団地管理組合の集会で、一括建替え決議が成立するかどうか。
そうです、5分の4以上の賛成です。
その「5分の4」の内訳なんだが、もちろんトータルで5分の4以上の賛成が必要で、さらに、各建物(A棟〜C棟)ごとに3分の2以上が賛成していなければならぬ。
なので、団地管理組合の集会で圧倒的多数(5分の4.8とか)の賛成が集まったとしても、仮にC棟での賛成者が「3分の1.9」だったら、極端にいうと「たった1人」が賛成しなかっただけで、なんと、建替え決議は成立ぜず。
A棟:全員の賛成
B棟:全員の賛成
C棟:1人が反対したので「3分の1.9」
もちろん、建替え決議なんだから、入念は準備と根回しをしていたはず。
がしかし夢は、終わりだ。
まさに、夢に終わったのだ。
でね、実際に、こんなようなことが、あったでしょうか?
ありました。
まずそこには17棟の建物がありました。
17棟で団地管理組合だ。
果たして「17棟」の一括建替えなんて、実際に可能なのだろうか。
まず全体で「5分の4」。
そしてその17棟で、各「3分の2」。
いったい関係権利者は何人くらいいたんでしょーね。
気が遠くなるような根回しが必要ですよね。
オレにはできない。
やりたくない。
っていうか、誰もオレに頼まない(笑)
そんでね、実例を調べてみたんですけど、こんな感じでした。
2006(平成18)年4月。全体では賛成が81.9%。17棟のうち3棟が「3分の2」に足りず不成立。
2007年(平成19年)にもチャレンジしたが、ここでも不成立。
そして3回目。
ついに成立。
・・・というようなトークを、小芝居をまぜなから、マンション管理士受験講座でやっていたんですわ。
そのときは現場を見てなかったけど。
まさにそうなんです。
オレは講師(講釈師)の鏡だったのです。
「講釈師、見てきたような嘘をつき」
・・・そっか、ここがその現場だったんだ。
無事に一括建替え、なによりです。