【宅建ダ】徒然草を読んでみたら、どうやら兼好法師は「ハニートラップ」をかわしたらしい。

娘2号(次女・高3)が受験勉強をしているので、正月のヒマを持て余しているオレも「ちょうどいいや」と思いまして、置いてあった受験参考書を読んでみたら、めっちゃおもしろい。
宅建ダイナマイトとして、また新しくて愉快な宅建教材を創作するうえで(←えぇ、懲りずにまた新しいのを作ってみようかと・笑)、とてもヒントになりますわ。
映画でいうと松竹の「男はつらいよ」、ご存知の寅さんのシリーズだけど、これが大ヒットしているのを横目で見ていたライバル会社の東映が、その「男はつらいよ」のフォーマットを研究して(というかパクって・笑)、トラック野郎シリーズを作った、らしい。
愛読書より。
そんなノリっすかね。
というのもね、おなじ業界の「宅建受験本」を見てても、宅建受験の話だから当たり前といえば当たり前なんだけど、まーほんとに代わり映えしないしねー。
はやいもので、宅建講師稼業に足を踏み入れてから34年(平成元年1月にデビュー戦)。
ここらでひとつ、新年になったことだし、「ならばほかから刺激を受けてみよう」と思った次第です。
前向きだオレは。
あは〜\(^o^)/
で、本棚にあった徒然草を引っ張り出してみて、パラッと目についたところを読んでみました。
第238段。
オレもよく自画自賛してますが、兼好法師さんも自画自賛してた。
自讃のこと7つあり。
そのうちの1つがこれ。
二月十五日、月明き夜、うち更けて、千本の寺に詣でて、後より入りて、独り顔深く隠して聴聞し侍りしに、優なる女の、姿・匂ひ、人より殊なるが、分け入りて、膝に居かゝれば、匂ひなども移るばかりなれば、便あしと思ひて、摩り退きたるに、なほ居寄りて、同じ様なれば、立ちぬ。その後、ある御所様の古き女房の、そゞろごと言はれしついでに、「無下に色なき人におはしけりと、見おとし奉る事なんありし。情なしと恨み奉る人なんある」とのたまひ出したるに、「更にこそ心得侍れね」と申して止みぬ。この事、後に聞き侍りしは、かの聴聞の夜、御局の内より、人の御覧じ知りて、候ふ女房を作り立てて出し給ひて、「便よくは、言葉などかけんものぞ。その有様参りて申せ。興あらん」とて、謀り給ひけるとぞ。
女房という単語が出てきますが、ここでいう女房とは「ビンボー人(庶民)の妻」という意味じゃなくて、「マドンナ古文常識217」によると、「宮中で高位の女性に仕える侍女」とのこと。中流役人の娘から選ばれるらしい。落語で出てきそうな、いわゆる「ウチのおっかー(古女房)」ではない。
宅建で勉強する民法の「善意」とか「悪意」みたいなもんですね。
おなじ日本語なんだけど、おなじ日本語ではない!!!
「ある御所様の古き女房の」は、「御所で働くベテラン侍女」となり、エンディングのほうの「御局の内より、人の御覧じ知りて、候ふ女房を作り立てて出し給ひて」のところは、「御局」は「おつぼねさま」で、「候ふ女房」は、「そのお局様に仕える侍女」となる。
要はおつぼねさまが、侍女をいいオンナに仕立てて、「便よくは、言葉などかけんものぞ。その有様参りて申せ。興あらん」
「タイミングみて、話しかけてみて〜!!。で、どんな感じだったかあとでラインちょーだい。なんかウケる〜」
ということだ。
くそぉー。
オレだったらトラップにやられるな。
さて。
二月は如月、「きさらぎ」と読むわけで、この「きさらぎ」なんだけど「衣更着」という言い方もあるみたい。つまり「重ね着」の時期。
「千本の寺」は千本釈迦堂で、京都にいまもあるお寺。
月明かりの夜、会合があって多くの人がいたらしい。
で、後ろから入って、一人こっそり顔を隠して聴聞していたら、なんと、セクシー美女がオレの膝によりかかかってきた。
やば。
「匂ひなども移るばかりなれば」というフレーズがいいっすよね。
月明かりの夜、大勢の人がいるなかで、こっそり近づいて膝に寄りかかってくるセクシー美女。
すんげーいい匂いだったんだろなー!!!
まさに悶絶する状況。
衆人のなかでの秘め事。
やば。
これはやばい。
やばいんだけど、マジいい感じ。
キャバクラで「時間、延長してぇ〜」みたいな、あの「どーするオレ」みたいな感じか。
で、彼はどうしたかというと。「便あしと思ひて、摩り退きたるに、なほ居寄りて、同じ様なれば、立ちぬ」だそうです。
なんかヤバくね?
ズリズリっとちょっと避けてみたら、また近寄ってきた。
かなりヤバくね?
なのでそこから立ち去った。
で、結局、彼女はなんだったのか。
そんなことがあったあと、ベテラン侍女と世間話をしていたら、「そういえばあんたって、色気がなくてつまんない男なんだってね。そういっている女性がいるわよ」と言い出すので、「ん? なんの話かな」とすっとぼけた。
真相やいかに。
さらにこの後で聞いたところ、どうやらハニートラップ。
「便よくは、言葉などかけんものぞ。その有様参りて申せ。興あらん」
「タイミングみて、話しかけてみて〜!!。で、どんな感じだったかあとでラインちょーだい。なんかウケる〜」
で、これを見破ったオレは、偉いだろ、という自画自賛だったのでした。
おもしろいっすね、徒然草。